2003年10月03日

[ タイトル:ブロードバンド、夢の通い路]
[ 著者:下浦一宏 ]

SOHO経済学の巻

こんにちは、下浦@関電休職中です。今回は「不況の原因と対策」について考えてみたいと思います。現在の不況はサラリーマン社会の必然的帰結であり、SOHO社会に移行することによってのみ解決される、というのが私の結論です。もちろん私はエコノミストではありませんし、誤解している点に関してはコメント頂けますと幸いです。

▼ なぜ不況になるのか?

なぜ現在不況なのか? 経済の潤滑油であるお金が回ってないからですね。入ってきたお金を使わず、ため込んでいる人がいるのです。一方、多くの企業は資産デフレで債務超過に陥っており、銀行からお金を借りることはできません。結局、銀行に預けられたお金は国債を買ったりして国に戻っていく訳です。7月末の国内銀行預金残高は513兆円、貸出残高は409兆円で、その差104兆円のうち91兆円は国債だそうです。

預金をしている人を調べると、メインは団塊の世代のサラリーマンです。私の印象では団塊世代の人は給料が高くても驚くほどケチですね。預金は正しいと子供の頃から擦り込まれて来ましたし、老後に備える意味もあって貯金してる訳です。それを政府が公共事業とか公務員の給料上げたりして経済に還元している。おかげで公務員の人気は急上昇、京阪奈にいくと「国会図書館」とか「私のしごと館」とか中身は大したこと無いのにビックリするような建物が並んでいますね。


▼ 本当の不良債権問題はこれからだ

現在、国の借金は643兆7599億円で、国民一人あたり504万円だそうです。さらに都道府県とか市町村の分も含めると恐ろしい額になりますね。国にお金を貸しているのは誰かというと預金者です。つまり預金すればする程、国の借金が増え、銀行に利子が入る構造になっています。経済規模を保つために、国は支出を抑えられないんですね。無理に抑制すると大恐慌、デフレスパイラルに陥ります。

このスキームが破綻するのはいつか? 預金者が預金を引き出し始める時、即ち団塊世代が退職する5年後あたりからです。彼らは今までため込んだ預金を下ろすはずです。でもその時には預金は道路とか建物とかに化けちゃってますから返しようが無いんですね。ですから増税とか国債を発行する訳ですが、それでカバーできなければ、お札を印刷してインフレにするか、預金者に債権放棄をお願いする事になる訳です。怖いですね。


▼ 結局何が問題なのか?

結局、世代間の信頼が失われている事に原因があるのです。もし自分の子供が将来自分を養ってくれると確信できるのであれば、貯金したり年金に入ったりする必要は無い訳で、貯金に回しているお金を、自分の子供のために投資できます。子供が結婚したり、家を建てたり、事業に挑戦したりする資金を親が出してやれる訳ですね。

政府や銀行は本来、子供に回るべき資金を「世代間の断絶」につけ込んで吸い上げているのです。チョット考えれば、国や銀行よりも自分の子供の方が信頼できそうなものですが、理屈のわかる親は私の経験でもなかなかいません。で、仕方なしに住宅ローンを組んで銀行に高い利子を支払っている訳ですね。

年金問題にしても金融資産の大部分は高齢者が握っている訳ですから、若者から金を搾取しなくても、「同世代で相互扶助」した方が有効であるはずなんですね。日本の個人金融資産の約60% を20%の高齢者世帯(65歳以上)が握っているというデータがあります。さらに若年世帯は住宅ローンを抱えていますから、差はもっと大きくなります。
http://www.opticast.co.jp/opt/gcom/analist/fp/fp1107.htm

イスラム社会では「金持ちが貧乏人を助けることは当然」ですし、日本でも公共事業等で社会に富を還元してきた歴史があります。江戸っ子が「宵越しの金」をもたなくても良かったのは、世代間や隣近所で助け合いのネットワークがあったからですね。老後や病気に備えて貯金しなければならないのは、世代間断絶、隣近所断絶の孤独なサラリーマン社会だからです
http://www.joho-kyoto.or.jp/~hitoden/background/suminokura.html

▼ SOHO社会で丸く解決

ここで無理やり結論ですが、SOHOには定年がありませんし、家族で一緒に仕事をし、夕食を共にすれば「世代間の断絶」もありません。そうなると貯金する必要はありませんし、消費や投資に回せることになり、景気も回復する訳です。さらに若者に経済援助があれば、結婚も増加し出生率も回復するはずです。つまり少子化対策にもなる訳ですね。さらに不倫の減少、ラッシュアワーの緩和、自動車とCO2の減少、地域活性化等、SOHO社会のメリットは測り知れません。

問題は、SOHO経済の絶対的規模がどの程度か? という事ですが、「新3種の神器:DVDレコーダー、液晶・プラズマテレビ、カメラ付き携帯電話」と言われるような工業製品は大企業でないと生産できませんね。しかし、コンテンツの部分はSOHOでも可能ですし、ブロードバンド社会の進展に伴って、SOH
Oでカバーできる範囲は確実に増えてくる筈です。

「ブロードバンドで景気回復を!」といった場合に、単にコンテンツ産業が拡大するというだけでなく、上で述べたような社会構造の変化(宵越しの金を持たなくても良い社会の実現)を考える必要があるのではないでしょうか? 「青年よ、親のスネを囓れ! 結婚して子供を作れ!」という事ですね。もちろん併せて「お父さんの将来はボクが面倒を見ます」と言わなければなりません。それでも理解が得られないようでしたら、このメルマガを印刷して親に見せてもらってもかまいませんよ。

プロフィール
下浦 一宏(しもうら かずひろ)
関西電力株式会社 研究開発室付(休職中)

Posted by shimoura at 2003年10月03日 09:24 | トラックバック
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