2004年01月12日

[ タイトル:ブロードバンド、夢の通い路]
[ 著者:下浦一宏 ]

明治維新の巻

新年おめでとうございます。下浦@IT調査員です。今年のおみくじは如何でしたでしょうか? 私も昨年は厄年で会社を早期退職したりしましたが、今年は気分を入れかえて活動を再開したいと思います。今年最初でもありますので、明治維新を題材に「歴史的転換点」について考えて見たいと思います。

▼ 世代と歴史的役割

退職の理由は、社風に合わなかったという事だと思います。入社当初から違和感がありましたが、15年余りやってこれたのは幸運というべきかも知れません。学生の皆様に反省を込めて助言するならば、なるべく社員の平均年齢が若くて、経営者の哲学に共感できて、成長している50人程度の企業を選ぶべきでしょう。そういった企業は、まだ無名ですから探すのに苦労するかも知れませんが、インターネットにより状況は変わりつつあります。

各世代には、それぞれ果たすべき「歴史的役割」というものがあるのではないでしょうか? 企業活動も歴史的役割の一環であり、「会社の寿命は30年」と言われる理由もここにあると思います。「社会」や「時代」に対する感覚は、世代によって違いますし、「仕事」、「幸福」等の価値観も異なります。世代間調整に神経をすり減らしていれば、問題の解決は不可能となるでしょう。それより問題意識を共有する同世代の人間が連携して、新しい時代を切り拓いていくべきです。

因みに明治維新の主な登場人物の生年を調べると、西郷隆盛(1827)、吉田松陰(1830)、大久保利通(1830)、桂小五郎(1833)、近藤勇(1834)、土方歳三(1835)、坂本龍馬(1835)、榎本武揚(1836)、徳川慶喜(1837)といった具合です。これだけの人物が20代、30代で明治維新をやった。他にも20世紀初頭の量子力学の建設とか、ネットビジネス(IT革命)においても同世代の若者が連携してやっています。

面白いのは、同世代の人間というのは、表面的には対立しているように見えても、時代感覚などは共通している点ですね。榎本武揚など、新選組副長だった土方歳三らと函館の五稜郭に立てこもって最後まで新政府軍に抵抗するのですが、その後、明治政府に返り咲き、大臣にまでなっています。また電気学会の初代会長も務めており、5年程前に北海道電力函館支店で電気学会の研究会をやった時には多少、感慨深いものがありました。

http://www.webkohbo.com/info3/goryokaku/goryokaku1.html
http://www.iptp.go.jp/museum/history/siryou/11.html

▼ 転換点での企業組織

現代が「歴史的転換点」であることは間違いないと思います。大企業の問題点は同世代を切り離す「タテ社会」である事で、経営判断、人事評価等に、別の世代の価値観が反映されますから、どうしても時代の波に乗り遅れがちになります。もちろん江戸時代のように安定した時代が続くのであれば、「タテ社会」の中でスキルを磨く事も有効でしょう。しかし転換点においては、薩長連合を画策した坂本龍馬のように、組織の壁を乗り越えて同世代を結びつける動きが重要だと思います。

例えば、同級生で人望の厚い人物を社長に据えて会社を創った方が、異なる世代が支配する組織に入門し、安月給でこき使われながら古い価値観を叩き込まれるよりも賢明かも知れません。私は工学部の出身ですが、就職において教授が、学生の行き先が特定企業に集中しないように割り振っていました。今後は同級生で一緒に会社をつくりなさい、というような進路指導をすべきではないでしょうか?

▼ 21世紀の歴史的課題

21世紀を考える上で、私が気になるグラフが2つあります。一つはハワイのマウナロアで観測されているCO2濃度のグラフ。もう一つはScientific Americanという科学雑誌に載った石油生産量予測についてのグラフです。

http://www.cmdl.noaa.gov/ccg/figures/co2mm_mlo.jpg
http://dieoff.org/page140.htm


CO2濃度は地球温暖化にも影響しますが、この直線的に増加する大気中濃度に対して、人類はどこまで耐えられるのでしょうか? また石油生産量は2010年までにピークを打ち(すでにピークを過ぎたという説もある)近々石油ショックの到来が予想されます。これは産業革命から続いてきた工業文明の転換点、未体験ゾーン突入を意味します。

http://ecosocio.tuins.ac.jp/ishii/
http://www.asahi.com/sympo/kankyo/index2.html
http://www.hawaii.gov/dbedt/ert/symposium/zagar/zagar.html
http://www.peakoil.net/


こういった課題から逃れることは出来ませんし、日本の若い世代が連携して、「新しい持続可能な文明」を建設してくれる事を期待するものです。これは年金や不良債権問題よりずっと重要だと思います。

今回は深刻な話になりましたので、口直しにQTVRの新作をご紹介します。タイムズスクエアと火星表面の新年の様子、最後は文字の部分をクリックすると動画のQTVRが開きます。

http://www.panoramas.dk/fullscreen3/f1.html
http://virtograph.com/rover/rover-1-sphere-quicktime.html
http://www.vrhotwires.com/private/ladybugclick.mov

プロフィール
下浦 一宏(しもうら かずひろ)
IT調査員(ブロードバンド担当)

Posted by shimoura at 2004年01月12日 10:46 | トラックバック
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