こんにちは、下浦@IT調査員です。歴史は本音と建前が織りなす西陣織のようなものですが、ブロードバンドはどのように影響するでしょうか? 今回はブロードバンド時代における本音と建前の関係について考えてみたいと思います。
▼ 本音と建前の起源
理想と現実、本音と建前、光と陰、というように、これらは表裏一体のものであり、バランスが崩れると住みにくい社会になるのだと思います。NHKに代表される従来のマスコミは、善良そうなアナウンサーが表側の情報を流していましたが、ブロードバンド時代には、2chに代表される裏情報が合わさって、より正しい判断が可能になるのだと思います。
共産主義がうまく機能しなかったのも、建前が先行しすぎたためでしょう。例えば大阪では昔、偏差値解消という建前の下に「地元集中」といって、最寄りの公立高校に強制的に進学させる制度がありましたが、大学以降が地元集中で無かったために、結局受験で苦労するという事がありました。「ゆとり教育」も似たような所があると思います。最近の小学生は「天動説」を信じているそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040412i306.htm
組織が官僚化するほど、建前に沿って仕事をする方が楽になります。例えば「コストダウン」という社内方針があれば、サービスレベルに影響が出ると思っていても、組織の論理を優先させてどんどん削ってしまう。またそれをやった人が成果主義で評価される、という事があります。株式投資でも「美人投票の原理」と言って、自分が良いと思う銘柄よりも、みんなが良いと考えるだろう銘柄を買った方が儲かる、という事があります。「大学法人化」という建前の下に国有財産を払い下げ、天下り先を確保する、といったのも同類でしょう。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040408AT1G0703I07042004.html
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt33/20010325EIMI128525033001.html
で、最後に行き着く所はどこか?というと、建前を維持できなくなって破局が訪れる訳です。「王様は裸だ!」と叫ぶ少年が現れ、バブルが弾けてしまう。例えば少子化問題にしても、理想の相手と巡り会い一生添い遂げる、という結婚制度の建前が維持できなくなっているのかも知れません。結婚という社会制度があるのは人間だけではないでしょうか?
▼ イラクにおける本音と建前
イラクの場合、建前は「大量破壊兵器」「テロ撲滅」で本音は「石油資源の確保」ですね。実際、大量破壊兵器は見つかっていませんし、9.11にイラクが関わっていたという証拠もありませんが、アメリカがイラクから撤退するとは思えません。
http://www.engy-sqr.com/watashinoiken/iken_htm/shimoura030414.htm
ブッシュ大統領で思い出すのは「一人の人間を騙すのは難しいが、大勢を騙すのは簡単だ」という言葉です。テロ撲滅という建前には誰も表立って異議を唱えられません。石油価格は春になっても高止まりしており、価格決定をOPECに委ねてしまう訳にはいかないでしょう。
CO2濃度はこの1年で激増しており、アメリカのガソリン価格は過去最高となっています。本当は「化石燃料から脱却した社会システムの実現」を目指すべきなんですね。戦場はイラクではなく研究室にあり、必要なのは武器や兵士ではなく、有能な科学技術者であるはずです。
http://www.ocn.ne.jp/news/data/20040324/y20040323i316.html
http://www.asahi.com/business/update/0413/063.html
こう書くと、核融合(ITER)の研究にもっと予算をつけろ、という事になるのですが、研究組織自体も官僚化していますから、話はそう単純ではありません。研究者の本音というのが表に出てこないんですね。「人間には努力しても到達できない壁がある(バカの壁)」というのを謙虚に認めよ、というのが「イカロス
の翼」の寓話だと思います。
http://society.2ch.net/test/read.cgi/atom/1056179561/l50
http://www3.osk.3web.ne.jp/~koji1138/time/myth/ik.html
「テロより怖い温暖化」という米国国防省の文章なども出回っており、この通りだとすると2020年より先の事は考える必要がないというか、サバイバルレースに参加するのであれば田舎で農業でもするか、どこか農業国へ移住する事でも考えた方が良いという結論になります。もちろん、それまでにやるべき事は有る訳で、「恐れるな、未来は変えられる」という事ですね。
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/271
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/index.html
http://www.t3-jp.com/index.html
▼ 個人はどう行動すべきか?
長谷川先生によると、老子の思想では「判断に迷う時は内なる声に従え」という事です。内なる声というのは、文章などに表現できないものだ(14章)というのが難しい所です。「法律」とか「規則」というものを書いた瞬間から、いかに法の目をくぐるか? といった堕落が始まる訳で、法治国家というのが究極の形
ではないと思います。
http://kyou.dyndns.tv/kiev/kiev.htm
今回のイラク人質事件について、あるMLで議論になっていましたが、確かに無謀な面はあったにせよ、私は個人が自らの信念に従って行動する事は重要だと思います。吉田松陰もアメリカへ密航を企て、「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」という歌を残しています。
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0403/opi2.html
学校教育は知識は詰め込みますが、「いかに生きるべきか?」という重要な問題について教えようとしません。松下村塾では「いかなる時に死すべきか?」が話題になっていたようで、獄中の吉田松陰は、高杉晋作に次のような手紙を送っています。「死して不朽の見込みあらば、いつでも死すべし。生きて大業の見込みあらば、いつまでも生くべし」
http://www.egroups.co.jp/message/denjp/436
大学法人化で、理系の先生は、特許が絡む成果について自由に発表できなくなったそうですが、大学の管理が強化され、先生方が政府や社会に向かって自由にモノが言えなくなるのであれば残念な事だと思います。
▼ 京都ギリシアローマ美術館
先日、京都下鴨にある「京都ギリシアローマ美術館」を観る機会がありました。これは個人で集められたコレクションですが、実に驚くべきものでした。大英博物館展で満足できない方にお勧めです。バグダッドの博物館にもいつか行ってみたいものです。
http://www.kit-net.ne.jp/idea/museum/museum-3.html
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/koto/yorimichi/yori09.html
http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003sep/23/CN2003092301000281G1Z10.html
プロフィール
下浦 一宏(しもうら かずひろ)
IT調査員(ブロードバンド担当)
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