2004年10月06日

[ タイトル:ブロードバンド、夢の通い路]
[ 著者:下浦一宏 ]

デイトレーダー3の巻

こんにちは、下浦@IT調査員です。デイトレーダーについては8回、14回、19回でも書きましたが、またまた考えが変わりましたので再度書かせて頂きます(ターミネーターも3まで行った事ですし)。10月4日は「証券投資(トーシ)の日」だそうで、日経平均も300円近く上がりました。ペイオフや郵政民営化とも関連して、いよいよ直接金融の時代になるのでしょうか?
http://www.e-104.net/index.html

▼ デイトレーダーの時代

結局「一寸先は闇」「明日は明日の風が吹く」と言われるように、近年、「宵越しの株」を持つリスクは非常に高くなっています。テロや産油国の政治的混乱(イラク、ベネズエラ、ロシア、ナイジェリア等)、ハリケーンの襲来やらで原油価格が乱高下、それにつれて米国や日本の株価が不安定に変動するようになりました。

デイトレードはリスクが大きいのでやるべきでないと思っていましたが、先の見えない時代にはデイトレードしか生き残れないようです。2chの報告を見ても、毎月コンスタントに利益を出し、株で生活できそうなのは、上位30%のデイトレーダーに限られます。(基準:月間運用利率6%、元金500万円として月給30万円)

http://saitama.no-ip.com/market/index.html


就職先の無いフリーター、生活費の不足する主婦、リストラされた中高年、年金不安の高齢者と、あらゆる世代で株式投資への関心が高まっていますが、上位30%に入るのが並大抵でない事は想像できる所です。半年から1年程度は、地獄の底に突き落とされ、這い上がってくるような経験をするでしょう。しかし、その領域に到達できれば、文字通り「手に職をつける」というやつで、「ファイナンシャルプランナー」のような資格よりも強い味方になってくれるはずです。

http://www.jafp.or.jp/


もちろんバフェットのような大富豪や、高齢者で数億もの金融資産がある場合は、日々の変化に惑わされず、財務分析に基づく長期投資や、配当金で生活している方も居られるでしょう。配当利回り調べてみると3%を越える所もありますから、1億円あれば配当だけで年収300万は確保できる計算になります。

http://www.iwaisec.co.jp/info/rimawari/rimawari1.html
http://www.ace-sec.co.jp/topics/030218rimawari.html


▼ デイトレードの技術

最近、20代のトレーダーにより、デイトレードの技術を解説した本が出版され話題になっています。オンラインでは入手困難な人気のようです。その本によると、デイトレードは「ファンダメンタルズ派」でも「テクニカル派」でも無い、「トレンド派」とでも言うべき新しい手法である事が判ります。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594603734/

通常の株式投資では、銘柄選定(財務分析やテクニカル分析)に多くの時間を費やす結果、その銘柄が多少予想に反する動きをしてもホールドします。そのうち正常な値段に戻ると考えるからです。これに対しデイトレードでは、リアルタイムの値動きが全てであり、会社の内容など全く気にせず投資します。

http://www.tokeidai.net/invest/


これは四季報など買って銘柄分析している従来型投資家には受け入れがたい事でしょう。アインシュタインだって「神様はサイコロ遊びをしない」という言葉を残しています。「未来は決定論的でない」という量子力学的世界では、トレーディングは反射神経型シューティングゲームと化します。ランキング情報の上位銘柄にサッと飛び乗って、それが落ちる前に飛び降りるという事を繰り返す訳です。

http://yama-tabi.net/netself/kamiwa/saikoro.html


毎日4時間半、シューティングゲームに没頭する生活が健全か? という疑問はあります。私は昔「インベーダー」や「ギャラクシアン」にハマった世代ですが、60,70になってこんな事やってられるか? というのが正直な所です。お金を貯めて(?)長期投資家に転向するか、資金を元手に事業を立ち上げる事が目標になります。

http://qtchicks.hp.infoseek.co.jp/namco_galaxian.html


トレーディング自体は単純作業ですから、いずれコンピュータにとって代わられる可能性もあります。実際その計画も着々と進んでいるようです。いずれチェスのように「人間対コンピュータ」という事になるのかも知れませんが、人間はコンピュータの裏をかく戦略を常に編み出すだろうと思います。

http://www.sankei.co.jp/news/041003/sha035.htm
http://www.kaburobo.jp/


▼ デイトレーダーの社会的影響

次回の高額納税者リストに、20代,30代のデイトレーダーが何人か登場する事は確実です。私は第2回に書いた通り、若い世代に金が回るのは経済にとっても、日本の未来にとっても悪いことではないと考えています。9月29日の日経新聞「経済教室」に阪大の小野善康教授が、「不況の原因はカネへの執着」「世代交代しないと景気は回復しない」とハッキリ書かれている通りです。

http://www.mankai.biz/shimoura/2003/1003.html
http://www.iser.osaka-u.ac.jp/%7Eono/index_j.html


日本には、「老後を子供に頼らない」という立派な考えの人が多く、その結果集められた貯金や年金が、結局、無駄な公共事業、独立行政法人、特殊法人等にバラまかれているという問題があります。内部告発本まで出ているようですが、本来そのカネは若い世代が新しい社会を建設する為に投資されるべきものでしょう。

http://www.inose.gr.jp/mg/back/04-9-23.html
http://www.nomuralaw.com/tokushu/
http://www.koeki-data.org/


郵政民営化の本質は、既得権にしがみつく組織の財源を断つ事にあるはずです。有人宇宙飛行も民間で出来る時代なのですから、税金の用途について再検討してみる必要があるでしょう。エネルギー開発なども日本は民間でやってきた歴史があり、リスクの高い先端分野ほど民間ベースでやった方が、(失敗を認められない)公的機関がやるよりうまく行くように思われます。

http://www.asahi.com/science/update/1005/001.html


神社に行くと、立て看板に修復工事に出資した人の名前と金額が明記されていますが、昔の村社会の方がカネに関しては明朗であったというべきでしょう。カネをプールすると腐敗を招きやすい事は常識だと思います。カネの流れをガラス張りにし、既得権に固執せず、情報共有と市場メカニズムを通して、変化に柔軟に対応できる社会を築く事は、ブロードバンド時代の重要なテーマであると思います。

最後に小泉首相も引用されたダーウィンの言葉を紹介します。

「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」

http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2001/0927syosin.html
http://www.meken.med.kyushu-u.ac.jp/~tosakai/koizumi.html


プロフィール
下浦 一宏(しもうら かずひろ)
IT調査員(ブロードバンド担当)

Posted by shimoura at 2004年10月06日 22:31 | トラックバック
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