こんにちは、下浦@トレーディング研究家です。前回、機械的に取引を行うシステムトレードについて紹介しましたが、近い将来、取引ツールに「ルール」をインプットし、後は自動的に売買が行われるようになるかも知れません。今後の発展が楽しみな取引ツールについて考えてみたいと思います。
▼ 取引ツールの現状
取引ツールはネット証券各社によって異なり、差別化の手段となっている。有名なのは、楽天証券(旧DLJ)の「マーケットスピード」、日興ビーンズの「マーケットウオーカー」、株ドットコムの「カブマシーン」等である。
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/PRNT_V_TOP_MarketspeedDL.html
http://www3.drvs.ne.jp/nikkobeans/help_func.cgi
http://kabu.com/feature/kabumachine/default.asp
デイトレの場合、マーケットスピードのリアルタイムランキング情報を参考にしている人が多いと思う。また株価情報を、リアルタイムにエクセルに読み込むRSSという機能が提供されるようになった。マーケットウオーカーは、各種のテクニカル指標を描く機能や、簡単なシステム設計機能がついている。
http://www3.drvs.ne.jp/nikkobeans/help_sim.cgi
最近は、RSSのデータを活用して、ユーザー独自の株価分析、取引ツールの開発が始まっている。120銘柄を同時監視する「スーパーデイトレーダー」や、Eトレで逆指値を可能とした「ETW」などである。短期売買の場合、最終的には取引ツールの勝負という事になるのではないだろうか?
http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se349602.html
http://etw.ath.cx/main.html
▼ 米国製取引ツールと証券会社の将来
米国では、RealTickというツールが標準のようである。無料でダウンロードでき、このツールに対応した証券会社を複数から選択することができる。即ち、日本では証券会社主導であるのに対し、米国では取引ツール主導である。
http://www.realtick.com/
http://www.realtick.com/v2_getpage.asp?subnav=true&page=plat_newf&ID=373
バージョンアップも早く、現在Ver.8である。株価の変化に応じて、逆指値の設定値を自動的に変更する「トレイリングストップ」など、日本ではまだ提供されていない機能が付加する。日本の証券会社では、逆指値に対応している会社も3社しかないが、これが無いと長期投資のリスクは非常に大きくなる。
http://www.his-tradeschool.com/cyber/report_bottom.htm
http://www.mknews.jp/fj/interview_0409.html
この状況は、パソコンの歴史に似ている。当初、パソコンは、ハードとソフトが込みで販売されていた。有名なのがSORDのPIPSである。それが、IBM-PCとMS-DOSが標準化され、ハードとソフトが分離されて急速に進化し、SORDは没落した。
http://www.showacs.co.jp/sordhist.htm
http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/991016/n9910163.html
将来のネット証券は、証券市場へのアクセスを提供するプロバイダ事業のようになるかも知れない。それに、取引管理、資金管理、情報提供、各種金融サービスが付加する形である。従来型証券は、投資銀行業務や、自己売買部門を進化させてヘッジファンド化するのではないだろうか?
http://biz.yahoo.co.jp/sec/200501/special/
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/m_guide/20040511.htm
▼ 株取引の将来
将来は売買の自動化が進むのは間違いない。「株ロボコンテスト」なども実施されているが、取引ツールにオリジナルな「取引ルール」をインプットすると、自動的に売買が実行される。株取引は取引ルールを考える「知的ゲーム」となる訳である。過去の株価データからルールを導き出す作業は、「システムトレード」と呼ばれている。
http://www.kaburobo.jp/index.html
http://kaburobo.jp/KabuRoboContestServer/result/top.do
将来の取引ツールには人工知能が組み込まれるだろう。「この株は危険です」とか、「この株を損切しましょう」とかを助言する「取引支援機能」に始まって、リスクとリターンを定量的に管理し、「今月はリスクを抑えて運用しよう」とか指示を出すと、最適なポートフォリオを自動的に実行する「投資信託機能」なども考えられる。
複雑系の研究として、米国サンタフェ研究所の「人工市場」も有名である。市場は刻々と変化しており、「ある期間に良い結果を出したトレーダーが、別の期間でも良い結果を出せるとは限らない」という事や、「パニックに陥ると行動がワンパターンになる」現象などが観測されている。
http://www.carc.aist.go.jp/~kiyoshi/paper/intro_html/intro_html.html
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4627850115/
ダーウィンは、「変化に適応できる生物が最後に生き残る」という言葉を遺しているが、株取引においても、状況を判断し、速やかに適応できるシステムが最後に生き残る事になるだろう。
http://www.meken.med.kyushu-u.ac.jp/~tosakai/koizumi.html
プロフィール
下浦 一宏(しもうら かずひろ)
トレーディング研究家
http://www.mankai.biz/shimoura/index.html
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