2005年06月14日

[ タイトル:今が満開!「咲本コラム」]
[ 著者:咲本勝巳 ]

米国エンロン不祥事を推奨する講義が行われていたとは

今となれば3年前の不祥事とはなるが、米国エネルギー系大手のエンロンが倒産するという事件があった。
しかし、粉飾決算により倒産したのはエンロンだけに留まらなかったようだ。
6月11日に大学院の講義を終えた私は、大学院生のとある女性だけではなく、フランス人男性たる夫であるかたを交えて呑んでいた。
その席でフランス人の発言を奥さんに翻訳してもらって知ったのは、次のような事実であった。

彼はフランスの大学院に進学したが、それに満足できず、学校の計らいで米国MBAに行くこととなった。
そこでなされた講義の中に、「クリエイティブ・アカウンティング」なる講義があったそうだ。
どこが「クリエイティブ」なのかと質問すると、利益が出た部分を、いかに次年度以降に使わなければならない費用として計上して税金を免れるのか、ということがクリエイティブなのでるということであった。

う〜む。
これは、エンロンのような大企業に粉飾決算を勧める大手会計事務所である「アーサー・アンダーセン」と発想が同じなのかも。
MBAという教育現場で、よくぞ、こんな話が正しいと語れるものである。

また、質問自体は他人の請け売りではあるが、「顧客満足、従業員満足、会社満足」のどれが最も重要かと尋ねると、「顧客満足」と答えられた。

私自身は、「従業員満足」がなければ、十分な「顧客満足」が提供できないがゆえに「従業員満足」と答えられると思っていたのに。。。

彼は「顧客満足」がいかなるものかを設定して、例え従業員がいやであっても、それを遂行するように命令すればよいと言われた。

彼とはおそらくは「顧客満足」についての認識が違うのであろう。
私は「顧客満足」と一般的に言われていることは、「不満ではない」けれど少しでもサービスが下がればたちどころに不満足となるボーダーを示しているに過ぎないと思っている。
文字通りの「満足」を得るためには、お客さまに「感動」を与え続けなければならない。
これはマニュアル化できる次元を超えているし、命令したからといって必ず出来るという範囲を超えるのである。

このような方とお会いすると、専門職大学院という即戦力が求められる現場で講義をしている身としては、つくづく、講義スタイルを深く考えざるを得ない。

結果的に、正解のない難解書をテキストにして、たった2回の講義枠で大学院生さん達に分担講義してもらうことによって、読書以上に深く身につけていただくようなことを行ったり、事業計画手法の講座として指定した参考書については、ほとんど講義せず(自ら読めばわかるレベルなので)、その周囲にまつわる深みのある話を、時にはゲストスピーカーに講演してもらうことで吸収してもらったりしているわけなのである。

最近では、なぜだか私もかかわりながらスタートした、松下村塾を超える人材輩出機関を作るプロジェクトが動き出したこともあって、ますます人材育成について研究したり、手法を実践したりする関心事が高まってきている。

これは、既存の経営大学院でもなく、松下政経塾でもない。
これからの準備期間となるであろう年間約20回の打ち合わせが、たいへん楽しみである。

Posted by sakimoto at 2005年06月14日 02:08 | トラックバック
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