2005年11月02日

[ タイトル:ソリトン通信]
[ 著者:下浦一宏 ]

冬ソナの季節

北国ではそろそろ初雪の便りが届き「冬ソナ」の季節到来である。昨年暮れにBSで完全版を見てハマッテしまい、正月にはブロードバンドで全てチェックした。
http://streaming.yahoo.co.jp/ch/koreandrama/program/program?c=kmi&k=10001

冬ソナが中高年に受けるのは、過去の青春映画のシーンが散りばめられているからである。雪と戯れるシーンは「ある愛の詩」にあるし、酔っ払ったユジンを部屋につれ帰るシーンは「ローマの休日」を思い出す。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006JOIP/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005R23E/

冬ソナのテーマは、「初恋の人が、突然、目の前に現れたら何が起きるか?」である。初恋というのは成就せず別れるパターンが多いので、現実に起こり得るテーマだと思う。最近はインターネットという便利な検索ツールもある。
http://manabekawori.cocolog-nifty.com/blog/2005/09/post_2259.html

このドラマはタルコフスキーの「惑星ソラリス」の影響を受けている。ソラリスでは海の作用によって、亡くなったはずの妻が送り込まれて来るのであるが、冬ソナでは記憶喪失を使って、亡くなったはずの恋人が送り込まれる。ネックレスにもなった「ポラリス」は「ソラリス」に引っ掛けている事は言うまでもない。
http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/wksslr.html
http://www.mankai.biz/shimoura/2004/0331.htm

最も印象的なシーンは第15話の54分あたり、記憶の戻りかけたジュンサンがユジンとともに思い出の地を訪れる場面である。「記憶を取り戻して本当のジュンサンに戻りたいんだ」に対し「私が愛しているのは、目の前のあなただ」と応える場面である。

ソラリスでは、有名な図書館のシーンから、本物で無いことに絶望し、液体酸素をあおって自殺を試みた妻を抱きしめながら「私が愛しているのは、目の前の君だ」といって抱きしめるシーンに対応している。バックにはバッハのコラール(BWV639)が流れる。

因みに、このシーンのオリジナルは溝口健二監督の「雨月物語」における琵琶湖畔で、源十郎が若狭姫を抱きしめるシーンである。雨月物語の録音を担当された大谷さんの話を伺った事があるが、若狭姫が亡霊に戻るシーンでは、幻想的な雰囲気を出すために、楽譜を後ろから演奏して、録音テープを逆回転させたり、物の無い時代には知恵を絞ってハイレベルの芸術作品を産みだしている。
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/ugetumonogatari.htm

冬ソナでは、バックに「白い恋人たち」が使われている。これは1968年のグルノーブル冬季オリンピックの非公式記録映画の主題歌である。レンタルビデオで観たが、途中「君は時間を越えた」という女性ボーカルが泣かせる。来年はトリノオリンピックにハマりたいものである。
http://www.torino2006.org/ENG/OlympicGames/home/index.html
http://www5f.biglobe.ne.jp/~futakoz/versoj/v-popular/shiroikoibito.htm

Posted by shimoura at 2005年11月02日 22:48 | トラックバック
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