通信工学と金融工学の類似性については、以前指摘したが、情報理論を通じてダイレクトに関連している事が判ったので報告する。
http://www.mankai.biz/archives/2005/10/post_185.html
株の本には余り書かれていないが、勝率P、損益率(利益/損失)Rのトレードにおいて、資金の何パーセントを賭けるのが最適か? という問題に対し、「ケリー基準」というのがある。
f=((R+1)P-1)/R
http://www.geocities.jp/y_infty/management/k_formula_1.html
これはマネーマネージメントの基礎方程式で、ベル研究所の研究者であったJ. L. Kelly の画期的な論文 “A New Interpretation of Information Rate(情報速度の新しい解釈)”から来ている。
http://www.bjmath.com/bjmath/kelly/kelly.pdf
ケリーは最初、論文の題名を"Information Theory and Gambling.(情報理論とギャンブル)"にしていたが、さすがにそれはマズイという事で、上の題名になったらしい。
http://home.williampoundstone.net/Kelly.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0809046377/
この論文のコンセプトは、「ギャンブラー(トレーダー)はシャノンの定義する情報速度で、指数関数的に資金を増やすことが可能」という事である。言い換えれば、「トレーダーはラジオ受信機と等価だ」と言っているのである。
ラジオというのは、同調回路と検波回路から構成される。同調回路で周波数を選択し、検波回路でシグナルを抽出する。トレーダーはローソク足で時間を選択し、テクニカルで売買シグナルを抽出している訳である。
http://homepage1.nifty.com/CETUS/crystal/principle.htm
ノイズ(ダマシ)の少ない程、また周波数の高い(トレード間隔の短い)程、急速に資金を増やす事が可能である。50年後の日本で、一部のデイトレーダーが驚異的パフォーマンスを叩き出すとはケリーも予測しなかったと思う。
ケリーは音声合成の研究などもやっていて、アーサーCクラークがベル研を見学した時に見せたデモが、「2001年宇宙の旅」でHAL9000が歌を歌うシーンに使われる。実際聴いてみると、古き夢多き時代のアメリカの香りがする。
http://www.wide-eyed-webs.com/instation/daisy.html
残念ながらケリーは脳溢血の為、41歳で急逝するが、同僚のシャノン大先生はこの理論を実践すべく、ラスベガスやウオール街に乗り込んだようである。
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0228/claude.htm
シャノンは「情報理論の父」として、第一回京都賞を受賞しているが、御遺影の拡大写真を良くみると、「The Wall Street Jungle」などという本が並んでいるのである。
http://www.bell-labs.com/news/2001/february/26/shannon2_lg.jpeg
http://www.inamori-f.or.jp/laureates/K01_b_claude/ctn.html
http://cm.bell-labs.com/cm/ms/what/shannonday/shannon1948.pdf
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