実験室の片隅で細々となされた研究が世の中をガラリと変えてしまう、という事が時々ある。昨日(26日)はチェルノブイリから20年だったが、原子力エネルギーの場合もそうであった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
1938年にハーン、ストラスマンが中性子をウランの原子核に衝突させる実験をしていて、偶然、核分裂反応を発見した。1942年には連鎖反応を利用した最初の原子炉が作られた。現在日本の発電量の30%以上が原子力である。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/193901.html
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/16030312_1.html
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/japan/japan02.htm
この話にはオチがあり、実は20億年も前に「天然原子炉」が存在した事が判っている。昔はウラン235の濃度が高く、水のある環境で連鎖反応が持続したものである。つまり「原子力(軽水炉)は自然エネルギー」とも言える訳であり、梅原猛氏はこの点を誤解されている。
http://www.ies.or.jp/japanese/mini/mini_hyakka/43/mini43.html
http://blog.livedoor.jp/stop_hamaoka/archives/12616675.html
広島、長崎の悲劇を経て、平和利用へと進んできた。鉄腕アトムの妹がウランと名付けられたように、当初は夢のエネルギーともてはやされたが、スリーマイル、チェルノブイリの事故で評判は地に落ちた。最近の原油価格高騰に伴い、見直しの動きも出てきているが、文明を維持するにはエネルギー源が不可欠だからである。
http://astroboy.jp/c/012/chara/05.html
http://www.aozora.gr.jp/cards/001163/files/43706_20164.html
原子炉には、中性子減速材に水を使う軽水炉、重水炉、黒鉛をつかう黒鉛炉、中性子を減速せずに高速のまま反応させる高速増殖炉などいくつかのタイプがある。
http://www.nucpal.gr.jp/website/jidou/toshokan/atomic/g_ges.html
http://www.yonden.co.jp/denryoku/ikata/nuclear/main1_3.htm
軽水炉は「ボイド効果」といって、出力が自動的にコントロールされるのであるが、黒鉛炉では、この効果が働かず暴走(爆発)に至ったのがチェルノブイリである。
http://sta-atm.jst.go.jp:8080/dic_1370_01.html
チェルノブイリの教訓は「暴走の危険性のあるような原子炉は作るな」という事である。日本では高速増殖炉に暴走の可能性がある。実際「もんじゅ」の危険性を指摘している専門家もいるし、坂本龍一氏等の文化人も反対されている。
http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/fbr1.html
http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/botan/kikensei.htm
http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/botan/shop.htm
では、なぜ暴走の可能性のあるような危険な炉を開発するかというと、軽水炉では、ウランの0.7%しか利用できないからである。ウランには、235と238があって、大部分を占める238を利用しようとすると高速増殖炉(FBR)が必要になる。
それで無資源国日本としては、FBRを中心になんとか自前のエネルギー源を獲得しようと構想されたのが「核燃料サイクル構想」である。この構想の問題点は、FBRの実用化が難しい事と、再処理工場の信頼性が低い事である。あと核拡散にからんだ国際問題も発生する。
http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/cycle.html
http://www.mext-monju.jp/yakuwari/fbr_ncycl_01.htm
前置きが長くなったが、もしウラン資源が無尽蔵にあるならば、核燃料サイクルも高速増殖炉も不要となり、問題が一挙に解決してしまうのである。その鍵は「海」である。
海水中には、45億トンものウランが溶け込んでおり、ある種の吸着材を用いると、それを回収する事が出来る。その回収コストは鉱山ウランの5~10倍まで迫っており、さらに低減の可能性があるようである。
http://sta-atm.jst.go.jp:8080/04020112_1.html
http://sta-atm.jst.go.jp:8080/pict/04/04020112/11.gif
この実験の影響は甚大である。青森県に建設された巨大な再処理施設も、「もんじゅ」も、全てオシャカにしてしまうからである。日本は、先人の悲願だった無尽蔵のエネルギー源を手にし、石油ピークを越えて文明を継続できる可能性がある。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/index.html
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