2006年11月10日

加藤登紀子と満州国

先日、ナマで加藤登紀子の歌を聴く機会があった。実家のロシア料理店キエフの35周年記念パーティーでの事である。

http://www.restaurant-kiev.com/

私には良く解らないが、大学関係、企業経営者など京都の重鎮とおぼしき方々が集まっていて、なぜ私ごときが参加出来たかというと、恩師の長谷川先生がキエフで老子の会をやっておられて、そのメンバーであったからである。
http://education.ddo.jp/kiev/

現在のオーナーの加藤幹雄氏は、加藤登紀子のお兄様で、普段ニコニコしてワインなどついで回っておられるが、住友金属の副社長まで務められたスゴイ人なのである。
http://www.kenpo.gr.jp/osaka/kakehasi/379/aisatsu.htm

「加藤登紀子の男模様」の中で、自分の旦那にインタビューしていて、良く知られている獄中結婚の話とか、藤本敏夫氏が塀の中で農業に目覚めた話とか、何度も離婚寸前まで行った話とか率直に語っておられる。
http://www.sanseido.co.jp/publ/tokiko_fujimoto.html

途中出てくる「スンガリー」というレストランが、現在のキエフである。藤本敏夫氏は千葉県に「鴨川自然王国」をつくられ「食」と「農」の問題に取り組んでおられたが、4年前に他界された。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4259546309/

加藤登紀子の歌はロシア民謡が多い。「百万本のバラ」とか、ロシアの兵士が故郷の恋人を思う歌など切々と歌われる。現代の我々にとってミステリアスなのは「満州国」という存在である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E5%9B%BD

学校では余り詳しく習わないが、この人口3700万人の国家は1932年から45年まで存在し、日本の若い世代がここに理想的国際都市の建設を目指した事は確かである。満鉄調査部は日本最高のシンクタンクであったし、「あじあ号」など内地を越える性能の機関車が走っていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%BA%80%E5%B7%9E%E9%89%84%E9%81%93

侵略を肯定するつもりは無いが、そこでは、日本文化、ロシア文化、中国文化が融合し、それが加藤登紀子を生み出したのだと思う。最後は全員で肩を組んで「琵琶湖周航歌」を合唱した。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4894345307/

Posted by shimoura at 06:01 | コメント (270) | トラックバック

湯川秀樹と核廃絶

NHKスペシャル「ラストメッセージ」で湯川秀樹を特集していたが、湯川が晩年、「核抑止論」に壮絶な闘いを挑んだ理由が理解できたように思えた。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/061106.html

核の議論というのは結局、「核抑止力」を認めるか否かという事である。認める立場が現実的で世界の主流であり、湯川のように核を絶対悪として認めない立場は理想主義だとされている。

しかし湯川に言わせれば、核抑止こそ核兵器の怖ろしさを理解していない机上論だ、という事になる。湯川・朝永宣言(1975)から引用すると、
http://www.pugwashjapan.jp/y_t.html

軍備管理の基礎には核抑止による安全保障は成り立ちうるという誤った考え方がある。したがって、もし真の核軍縮の達成を目指すのであれば、私たちは、何よりも第一に核抑止という考え方を捨て、私たちの発想を根本的に転換することが必要である。

私たちの究極目標は、人類の経済的福祉と社会正義が実現され、さらに、自然環境との調和を保ち、人間が人間らしく生きることのできるような新しい世界秩序を創造することであると考える。

もし核戦争が起これば、破局的な災厄と破壊がもたらされ、そうした新しい世界を創ることは不可能となるばかりでなく、史上前例のないほどに人間生活が破壊されるであろう。このように見れば、核兵器を戦争や恫喝の手段にすることは、人類に対する最大の犯罪であるといわざるをえない。
(引用終わり)

NHKの放送によると、核抑止を主張していた科学者達も、広島、長崎のフィルムを見せると、署名に同意したという事である。

多量破壊兵器以前の戦争、特にガリア戦記に描かれるローマ帝国を築いたカエサルなど、古代の戦争には、「文明の融合と創造」という一定の役割があった。現在では、情報ネットワークや経済交流がその役割を担っている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%82%B5%E3%83%AB
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%88%A6%E8%A8%98

核兵器は女性、子供も含め、全てを破壊してしまう。ぺんぺん草も生えない焼け野原では、文明の融合も起こり得ない。建設的な意味を持たない戦争は人類にとって絶対悪と言わざるを得ない。

Posted by shimoura at 05:58 | コメント (130) | トラックバック