連日のように電力会社の幹部が頭を下げる映像が放映される。本来、エネルギー供給は、国防、食料と並んで、国が責任を持つべき分野である。
昔、本店の配電部にいた頃、工事会社の幹部がずらっと配電部長の前に並んで、「申し訳ありませんでした」と頭を下げる事があった。人身災害のあった場合である。
電力会社のベースは「建設業」であるので、かなり頻繁に災害が発生する。その度に工事会社が頭を下げるのであるが、彼らは本来、電力がやるべき仕事を請け負う事で、身代わりとなって命をおとした訳であるから、頭を下げる方向が違うのではないか? というのが新入社員の素朴な疑問であった。
で、先輩に聞くと、工事会社は「絶対安全に仕事をすすめる」という契約で当社から仕事を請け負っているのであるから、これで良いのだ、という話であった。死亡した作業員は「ルールを守らなかった」という事になる場合が多い。
電力会社が苦労している割に、世間の同情を得られないのは、組織の透明性が低いからである。誰が本当の責任者なのか、外部からはよく見えない。現場レベルからの情報発信を強化する方が、社長が頭を下げるよりも、余程効果があると思う。
業務分野が広すぎるのであれば、部門毎に会社を分割する事も考えるべきである。現場のトップは、パイロットや船長同様、絶対的な権限と責任を持つべきであり、本店や役所に気兼ねしてトラブルを隠蔽するようでは、社会的信頼は得られないからである。
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