2007年12月30日

[ タイトル:ソリトン通信]
[ 著者:下浦一宏 ]

クリスマスの学会

今年のクリスマスは、京大で開催された「経済物理学」の学会に出ていた。

http://www.econophysics.jp/yitp07/

会場となった時計台記念館では、宇宙物理、万能細胞の研究会も開かれていて活況であった。 経済物理のテーマは、ポテンシャル理論など、市場価格の解析と、取引ネットワークの解析が中心であった。
http://www.smp.dis.titech.ac.jp/

「Cool Head,but Warm Heart」というマーシャルの言葉に示されるように、経済学は、分析(cool head)と、実践(warm heart)の両方で構成されている。科学と技術、理学と工学が合体している訳である。
http://physics.cocolog-nifty.com/weblog/2005/01/cool_headbut_wa.html

従来の経済学は、マルクス経済に代表されるように、理念先行型で、分析手法や理論体系が合理的でなかったり、実証的で無かったりした。経済物理学はこの点を改善するだろう。

それでは経済物理は、単なる分析手法を超えて、実践を伴った新しい「経済学」を生み出すだろうか? 

POSデータによる消費行動の研究や、企業倒産の研究など、経済活動全般に研究領域を拡げつつあるが、資本主義の歪みを乗り越えて、新しい経済システムを提示できるだろうか?

経済物理は、情報技術の発達とリンクしており、情報技術と組み合わせれば、より無駄の少ない物流システムや、より有効に人材を活用する社会システムなど生み出す可能性がある。

もう一つは、「オカネ」に対する考え方に変革をもたらす可能性がある。
市場はランダムウオークしない、即ち、何らかの方法によって、市場から任意に資金を引き出す事は原理的に可能である。

1京円もの市場取引がなされる一方で、フリーターが練炭自殺する状況は、やはり狂っているように思うのである。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071230AT2D2801E29122007.html
http://www.asahi.com/national/update/1230/OSK200712290044.html

Posted by shimoura at 2007年12月30日 09:22 | トラックバック
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