2008年03月17日

[ タイトル:ソリトン通信]
[ 著者:下浦一宏 ]

ガウスかコーシーか?

現在、経済物理の研究会などで東京に来ていて八王子のホテルで書いている。私のようにバックグラウンドが物理でない人間にも話をさせて頂けるのは、有難いことである。
http://amech.amp.i.kyoto-u.ac.jp/~aki/pukiwiki/economics/

経済物理のメインテーマに「価格はランダムウオークするのか?」がある。YESであれば、価格分布はガウス分布になるし、そうでなければ、裾野の広いコーシー分布に近くなる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%88%86%E5%B8%83
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E5%88%86%E5%B8%83

大雑把に言って、両者は±2σまでは良く似ているが、その外では全然違っている。価格分布がガウスだと、中央に戻ってくる確率が高いが(逆張り)、コーシーに近いとそのまま行ってしまう可能性が無視できない(順張り)。

その境界が±2σであり、どちらの分布に近いか?によって、取るべきポジションが正反対になってしまうのである。ボリンジャーバンドをなぜ±2σで描くのか? とか、順張りに使うべきか逆張りに使うべきか? といった議論の背景に、こういった経済物理学的現象がある、という話をした。

多くの場合、順張りはトレンド転換の把握が難しく、逆張りの方が簡単である。つまり、コーシーよりもガウスの方が扱いやすい訳で、鞘取りなども分布のガウス化に他ならない。

如何にして、一定範囲に価格変動を閉じ込めるか?という問題は、核融合の話に似ている。核融合の場合、ローソン条件というのがあって、閉じ込め時間が長いほどエネルギーゲインが高くなるが、鞘取りの場合はマネーゲインが高くなる。

またシステムトレードで、各種テクニカルやフィルターを工夫したりするのは、通信工学における受信器の設計に似ている。通信工学(情報工学)と経済物理学は似ていると思うのであるが、シャノンが、エントロピーなど統計物理の概念を持ち込んで作ったものであるから当然であろう。
http://www.mankai.biz/archives/2006/02/post_197.html
http://www.mankai.biz/archives/2007/04/post_277.html

経済物理学というのは、経済学に統計物理を導入しようとする訳で、一面においてシャノンの跡を辿っているようにも思うのである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%8E%E3%83%B3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6
http://www.turtletrader.com/kelly.pdf

Posted by shimoura at 2008年03月17日 06:34 | トラックバック
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