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◇コラムバックナンバー【週刊☆ビジマ】vol.003 技術戦略アドバイザ
生島氏の新連載スタート
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『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
(週刊☆ビジマ)
eビジネス,マーケティング,経営戦略を考えるためのヒント
http://www.tokeidai.net/works/ 2003/04/23発行 No.003
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【 CONTENTS 】
・新連載『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』vol.1
・ビジネス書評『広告ビジネスの構造と展開―アカウントプランニング革新』
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『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』vol.1
技術戦略アドバイザ 生島 一司
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はじめまして。
アイキットの生島です。
「技術戦略アドバイザ」を名乗っています。
最近は私のことを経営コンサルタントだと思っている人もいるようですが、あくまで
も技術屋としての軸に固執して活動しています。
このコラムでは、大企業を辞めた技術屋の私が、技術評価という領域に足を踏み入れ
て右往左往した約1年間の経験をお伝えしようと思っています。
現在は、ベンチャー企業の技術評価の仕事も受けしていますが、主に既存企業のため
の技術戦略アドバイザとして活動しています。その経緯も機会があれば追々書いてい
きます。
まずは、ビジネスモデルの技術評価という領域に足を踏み入れることになった、ある
きっかけについてお話していきましょう。
▼「新しい技術」に対する大きな勘違い?!
ところは、大都市のとある証券会社の一室。
ときは、2001年の1月。アメリカのITバブルが崩壊が叫ばれるまで、もうほん
の少しの猶予しかない時期。
「シリコンバレーでは何故技術ベンチャーが次々と出てくるのか?」について話し合
っている一団がいました。
10名程度の出席者は、銀行、証券会社、ベンチャーキャピタルの幹部や会社の経営
者が占めています。そんな中で、足かけ18年勤めた家電メーカーを辞めたばかりの
元研究者・エンジニアの私はかなり異色な存在です。
この集まりを主催した証券会社の部長さんがシリコンバレーを訪問し、この報告を兼
ねた勉強会が開催されていたのです。技術者でない人々が技術について話し合うとい
う、技術者の私にとって初めて経験する、個人的にはまったく面白いシチュエーショ
ンでした。
「問題はこのようなネット技術を持ったベンチャーが何故日本でなかなか出てこない
のかということだ」
「日本には新しい技術が出てくる環境が整備されていない。これが原因ではないか」
といった意見が次々と出されていました。しかし、私は議論に違和感を感じざるを得
ませんでした。議論が進むにつれ、漠然とした違和感が疑問に変わり、とうとう堪え
きれなくなった私はこう言ってしまいました。
「皆さんが議論しているのは、新しい技術の問題ではないのではないですか」
これを聞いた一同は、えっ? という表情でこちらを見ています。
シーーーン
暫くして出席者のひとりが言いました。
「じゃ、なんなんですか?」
「それはただの設計の問題です。ベンチャー企業から出されたアイデアを元に、ベン
チャー企業がソフトウェア会社やシステムインテグレータに発注してシステムを作っ
て、それを運営しているだけです。技術的には従来の技術を組み合わせた範囲で充分
対応できるものですよ」
シーーーン
一瞬の間合いの後、返ってきた言葉は
「そ う な ん ですか...」
実は、このときまでここで行われていた議論は「研究」「開発」「設計」「ビジネス
モデル」「アイデア」を混同して話し合われていました。つまり、アイデアに基づく
ビジネスモデルが出てこない原因を研究開発力の不足と短絡的に結びつけて、早い話
みなさん勘違いして話し合っていたのです。
ここにいる人たちは、こんなことも分からずにベンチャー投資をしているとは...
それは驚きとショックでした。日本という国のシステムに対する不安が私の中ではっ
きりと形を作り始めるきっかけでした。
この前年まで大企業の研究者という職についていた私は、それまで世間の物事の進み
方に対してかなりの世間知らずだったようです。
▼「もの作り」と「ビジネス」のずれ
私の発言で一旦中断した議論は更に続いていきました。ある信託銀行のえらいさんが
発言しました。
「これから大企業のエンジニアがどんどん辞めて会社を作り始めるんだ!」
私はこう答えました。
「10年先は分かりませんが、現時点ではそれはあり得ないと思いますよ。確かにソ
フトウェアのエンジニア、特にビジネス系ソフトを扱うエンジニアの間では、既にそ
ういうことは起こっているでしょうが、大企業で、それもハードウェア系エンジニア
にはそういう動きは一般的にはまだありません。強いて言えば転職が昔より一般的に
なってきていることでしょうか」
私の言葉に対する反応は予想通りというか、いや予想を上回るものでした。
「君は間違っている! 半年後を見れば分かる。どんどん会社を辞めて起業する技術
者が一杯現れるんだよ。もう始まっている。社会現象になるんだよ!」
私は現場を知っています。理系の人間、それも大企業に勤務するサラリーマンエンジ
ニアがどのように感じて、どう動くかが分かっています。その私があり得ないと言っ
ていることを堂々と主張してくる原因はなんなのでしょうか。
この結果は明らかですね。リストラはどんどん進んでいますが、明らかにそんな社会
現象は起こっていません。
これまでの議論で、私の視点と他の人の視点がずれているのが分かると思います。こ
れはどういうことでしょうか。
私は、人間の活動を次のように層化して考えています。
・表面上の活動層
お金が回るビジネスはここです、ビジネスモデルなんかもこの範疇でしょう。
・深い部分の理念、思想の層
人間活動の根元の部分です。技術で言えば基礎研究に相当するでしょう。
・これらを中継している部分
深い部分から出てくる基礎研究をビジネスに結びつける部分です。技術で言
えば開発に当たるでしょう。
深い部分を理解せずに、表面の部分だけで議論すると上述の議論のようにずれが生じ
ます。
もの作りをしている人たちの意識とお金を回している人達の、埋めきれないくらいの
感覚のずれ。世間知らずのエンジニア達。政府、公共団体の政策のずれ。根っこをも
たない、お金だけが回る表面上だけのはやりビジネス。
それらが浮き彫りになった一例です。
読者の方は、4月15日放送のの「プロジェクトX」をご覧になったでしょうか?
http://www.nhk.or.jp/projectx/111/index.htm
TRONという日本発の基本ソフト(OS)の開発物語です。某マイクロソフトのO
Sより格段に優れていますが、世の中一般にはあまり知られていません。
これは、上で述べた「深い部分」ではいくら優れた技術であってもお金の回る「表面
上の活動」に繋がらなかったという実例だと思います。
番組では多くは語られてはいませんが、米国が政治力まで使って一丸となってTRO
Nの普及を阻止してきたという経緯はどういうことなのでしょうか。基本の技術をビ
ジネスにうまく繋がった場合の大きな力を米国は理解しているのです。ですから、
「深い部分」と「表面上の活動」を繋ぐ「中継部分」に攻撃をかけてきたのです。ど
うやら日本人は3つの層を有機的に考えるのが苦手のようです。
(私はTRONプロジェクトを非難するつもりはまったくありません。心からの応援
者ですので悪しからず)
さて、話を戻しましょう。
勉強会がようやく終わり、一部の出席者の間で名刺交換が行われていました。ひとり
の紳士が私に近付いて来ました。
渡された名刺を見ると、大都市の商工会議所の役職者の方でした。これがご縁となっ
て、この商工会議所とのお付き合いが始まりました。
毎月行われるビジネスプランの発表会や海外ベンチャーのフォーラムを通して、たく
さんの経営者、創業者、銀行、役所、公益法人、ベンチャーキャピタル、証券会社と
いった私にはこれまで縁がなかった方々と多数知り合うことになりました。
このコラムでは、この世界に足を踏み入れた元技術者の私の右往左往、ドタバタ振り
を通して、過去に技術立国と言われた日本で今何が不足しているのか、何を必要とし
ているのか少しでもお伝えしていけたらと思っています。ここが分かればビジネスは
うまく回っていくと考えています。
では、次回をお楽しみに。
■プロフィール
エレクトロニクス、情報技術の総合技術戦略アドバイザ
アイキット 代表 生島 一司
<略歴>
大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、液晶等映像機器、地上波ディジタル
テレビ等の研究開発、コンピュータシステムに関する企画、開発等に取り組む。
独立後、ベンチャー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び構築に関
するアドバイス、講演等に携わる。大阪市立大学 非常勤講師。
無料相談をここでお受けしています
↓ ↓ ↓
http://www.nespla.jp/index.files/advise.htm
mailto:kaz@i-kit.jp
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ビジネス書評『広告ビジネスの構造と展開―アカウントプランニング革新』
MBA学生起業家 小山龍介
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メディアコミッションに依存する日本の広告業界の
構造的問題にメスを入れる力作。
メディアが高い。
メディアコミッションへの依存。
クリエイティブの軽視。
長年問題視されていたこの課題に対して、
客観的な数字も交え、明らかにしていくため、
多くの人に納得できる。
ではどうすればいいのか。
アメリカの例などを引きながら、著者は
「アカウントプランニング」の必要性を説く。
改めて「アカウントプランニング」と名づけなくとも
すでにそのことを実行していた広告代理店営業は多い。
ただ、ここであらためて、アメリカのそれと
日本のそれの違いに注目するのは、無駄ではない。
この本のほかに、アカウントプランニングの実践編、
ジョン・スティールの「アカウント・プランニングが広告を変える」も
あわせて読んでおきたい。
◆『広告ビジネスの構造と展開―アカウントプランニング革新』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532640377/ryu2-22
※せっかく紹介したのに品切れ(4/23現在)なんですよね〜。
◆『アカウント・プランニングが広告を変える』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478501831/ryu2-22
※この書評はAmazonのサイトにも載せています。もしよかった「役に立った」の投票
をしていただけると嬉しいです(^^; 現在Amazonランキング2229位。
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『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
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編 集:小山 龍介 mailto:koyaman@koyaman.com
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【編集後記】
◆使っていたレンタルサーバー屋さんが、「インターネット犯罪」とかでダウン。メー
ルすらも使えない状態が続いてたいへんです(悲しいことに現在形・・・)。海外の
安いレンタルサーバー屋さんをみていたのですが、複数ドメインも可能なサービスも
。いまや二つ、三つドメインを持つことは珍しくないので、複数ドメインサー
ビスはありがたい。
実はこの「週刊☆ビジマ」もドメイン取得中。近々発表しますので乞うご期待!ちな
みに僕が選ぼうとしている海外レンタルサーバーは、200個のドメイン運営が可能。そ
んなにいらないって?(編集・小山)
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