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◇コラムバックナンバー【週刊☆ビジマ】vol.16 イクシマ流『目から鱗』分析!

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       『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
             (週刊☆ビジマ)

    eビジネス,マーケティング,経営戦略を考えるためのヒント

   http://www.tokeidai.net/works/    2003/06/11発行 No.016
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【 CONTENTS 】

☆『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』第3回

   「イクシマ流!企業戦略の『目から鱗』分析」        生島一司
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こんにちは。
【週刊☆ビジマ】編集のコヤマンです。

今回はアイキット 生島さんのコラム。
タイトルは、「イクシマ流!企業戦略の『目から鱗』分析」

実はこのタイトル、僕が勝手につけちゃったんです。
もしビジネスで迷っていることがあるなら
ぜひこの生島モデルで分析してみてください。
はっ気づくことがあると思いますよ!

ではどうぞ!

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☆『技術屋の視点 〜 ビジネスモデル・技術評価の裏側 〜』第3回

      「イクシマ流!企業戦略の『目から鱗』分析」

                    技術戦略コンサルタント 生島一司
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技術戦略コンサルタント アイキットの生島です。
今回は前回までに紹介した事例を元に、「戦略」について考えていきたいと思い
ます。前半は少々概念的なお話になりますが、最後までお付き合いください。

▼目から鱗の階層化思考法

第1回目に私が以下のようなお話をしましたが、覚えておられるでしょうか?

・表面上の活動層
お金が回るビジネスはここです、ビジネスモデルなんかもこの範疇でしょう。

・深い部分の理念、思想の層
人間活動の根元の部分です。技術で言えば基礎研究に相当するでしょう。

・これらを中継している部分
深い部分から出てくる基礎研究をビジネスに結びつける部分です。技術で言え
ば開発に当たるでしょう。

今回は、これらをもう少し視覚化して見てみましょう。

┌───┐
│表 層 │ビジネスが回るところ。<ビジネスモデル、商品、サービス>
└───┘
   ↑↓
┌───┐
│中継層│深層と表層を中継するところ。<戦略>
└───┘
   ↑↓
┌───┐
│深 層 │コンセプト、理念に相当するところ。<経営理念、基礎技術>
└───┘

法律に例えるとよく分かると思います。憲法は深層の部分、法律は表層の部分で
す。中継層は立法機関に相当すると思いますが、これはその時代の背景や考え方
を反映してアウトプット、つまり表層に相当する法律を時代に、状況に合わせて
作っていきます。表層では、この法律を基に人間の活動をコントロールしていく
訳です。

さてこれを技術に当てはめた場合はどうなるでしょうか。

深層が個人・組織の持つ基礎技術(力)を意味します。

中継層はその技術を基にビジネスを組み立てる仕組みに相当します。この部分は
複雑です。技術開発はこの部分に相当しますが、これ以外にもエンジニアのヒュ
ーマンリソースマネジメントもここに含まれます。場合によっては、開発資金の
調達も表層のビジネス部分を支えるこの層に含まれるでしょう。
このように中継層は、ビジネスプランを直接支える人・組織の仕組みと言えるの
です。この仕組みを方向付けるものが企業の戦略です。
「技術戦略」もこの部分で技術をどう扱うかを方向付けするものなのです。

これら戦略が、表層のビジネスモデルを形作り、組織のミッションに方向を与え
るのです。製品の設計、ITシステムの開発もこの表層に当たります。お金はこ
の層を回っているのです。勿論マーケッティングもこの部分に含まれます。

厳密に言えば、ビジネスモデルには中継層が含まれる場合もあるでしょうし、戦
略が表層に一部含まれることがあるかも知れませんが、ここではビジネスモデル
は表層に、戦略は中継層に含まれると定義します。

企業における技術を考える場合、深層・中継層・表層の三層全てを自社で完結す
る必要はありません。
例えば、深層部分の基礎技術は他社のライセンスを使ったり、大学の技術を持っ
てくる方法があるでしょう。中継層も他者との提携で実現できる場合があります。

ITバブル時代に流行ったビジネスモデルは、技術に限れば深層、中継層共に他
社の技術に頼ったものと言えるでしょう。自社独自と言えるものはビジネスモデ
ルのみでした。ここしかなかったからビジネスモデル特許が取り沙汰されたので
しょう。

このように階層化して考えることの利点は、物事をシンプルに捉えて分析でき、
複雑なビジネスをそれを構成する部品とその相互作用に単純化して考えられるこ
となのです。
ビジネスモデルや技術を評価していく場合の自分自身の思考を分析して、この階
層化法に行き着きました。
さて、何故これが目から鱗なのか。それでは事例を用いて具体的に考えていきま
しょう。


▼前回の事例を階層化で考えてみよう

さて、前回のふたつの事例を階層化法で考えてみましょう。

<A社の場合>

A社の問題点は、関東と関西にまたがった組織のマネジメントの問題、人的能力
を引き出せない環境、寄せ集めのメンバー間のコンセンサスの問題、リーダーの
ヒューマンリソースマネジメント能力の欠如等が招いたものでした。

前述の三層で考えると、これらはどの部分の問題なのでしょう?
実は、これらは全て中継層で生じた問題なのです。言い換えれば「戦略」の欠如
によるものなのです。
そして中継層の問題は、更にそれを支える深層の問題が引き起こしたものなので
す。

この場合、いくらメンバーが表層のプロジェクトで頑張っても、それを支える戦
略が欠如していては効率も悪く、プロジェクトに問題が多発し、最悪の場合はそ
れ自体が瓦解することもあるのです。
この場合の最善のソリューションは表層にはありません。遠回りですがやはり基
本が大事です。中継層を見直すことが必要なのです。勿論深層の企業風土、トッ
プの理念、方向付けも大切です。


<C社の場合>

C社の場合の問題点はどこにあるのでしょうか。
結論から言うと、問題点は「戦略」の欠如だったのです。

C社は、国の補助金を利用して、ビジネスに活用できる新しいツールを手に入れ
ようとしていたのです。しかしビジネスモデルを考える場合に、どことアライア
ンスを組むかも決めていなかったのです。
C社はバス会社なのですが、地域の商店街と組むのか、鉄道会社と組むのかとい
うこともまだ具体的に考えていなかったのです。
この段階で、ツールへの興味が先走ってしまっていました。

戦略がない状態でしたから、どのようなスペックのシステムを導入すべきかを決
められる状態ではなかったのです。
そこで、前回お話したようにコーティングの手法を用いて戦略の欠如に気付いて
頂いたのですが、幸いなことにトップ、担当者方の考え方が柔軟でした。
中継層での仕組み作りを再考して頂けました。

これは企業風土がよかったから実現できたのです。企業風土は深層部分ですね。
C社の場合、A社のようにしがらみに捕らわれて、戦略の修正を頭から否定し、
飽くまでも表層だけで問題解決を図ろうとするような事態は避けることができま
した。

このように、中継層の仕組みを形作る企業の戦略は、非常に大事なものであると
お分かり頂けると思います。
また、それを支える深層の部分も同様に重要になるのです。

読者のみなさん、今回のお話はどうお感じになったでしょうか?
少々難しかったですか?
目から鱗が落ちましたか?

では、次回をお楽しみに。


■プロフィール
エレクトロニクス、情報技術の総合技術戦略コンサルティング
アイキット 代表 生島 一司(いくしま かずし)

<略歴>
大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、液晶等映像機器、地上波ディジ
タルテレビ等の研究開発、コンピュータシステムに関する企画、開発等に取り組
む。独立後、ベンチャー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び
構築に関するアドバイス、講演等に携わる。大阪市立大学 非常勤講師。
アイキット ホームページ
http://www.i-kit.jp/

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       『ビジネスにマーケティング☆を走らせよう!』
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     まぐまぐ: 600部(ID:0000106852)
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     発行部数: 679部(2003年6月11日現在)

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   編 集:小山 龍介   mailto:koyaman@koyaman.com
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【編集後記】

◆ごめんなさい。発行が大幅に遅れてしまいました。夕食に食べたタイ料理があ
たって、腹痛になってしまったんです・・・。すみません。(コヤマン)

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